続 JARLビューローに何が起こっているのか

前回書いたQSLカード転送に要する期間の話ですが、残念ながら状況は良くない方向に向かっているようです。

現時点での状況

前回の記事を書いたのは昨年の5月のGW終盤でした。 あの後から現在まで私の元にはJARLビューローから5回カードが到着し、そのたびに「QSOから受け取りまでの日数」をチェックしました。 これがチェック結果を反映したデータです。

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前回記事を書いた直後の到着分(2021年6月末)を調べると前回比1日改善だったので、もうそろそろ山場でこの状況が維持されるか改善に転じるかで私が心配していたことは杞憂で終わるかと思っていましたが、その次(2021年8月末到着分)から再び日数増加に転じ現在に至っています。 一昨年の8月末から現在までで改善したのは結局この時だけでした。最近の状況をみると増加の幅が徐々に大きくなっているのが気になります。

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想像される要因

QSLビューローに関しては具体的な情報がほとんど公開されないので想像するしかありませんが、以下のようなことが考えられるかと思います。

カードの取扱量が増えた

再開局される方が増えて「アクティブな会員」が増加したこと、ここ数年コンテスト参加局数が大きく増えていることが扱い増の大きな要因になっている気がします。 それとFT8の普及でカード交換量が増えているのも間違いないと思います。私はFT8に限ればこれは一過性であり、やがて落ち着くとみています。ただ、この先どのようなモードや運用形態が登場し、カード交換が「活性化」するのかは誰も予想できません。

ビューローの慢性的な人手不足

これは情報が無いので想像するしか無いのですが、あり得ることだと思います。 急激なカード量増加に対する柔軟な手当が(発注元であるJARLを含めて)うまくいっていない気がします。

コロナ禍

ビューローの現場にて仕分け作業される方の感染防止の観点から受け入れたカードをしばらく保留状態にする等の対応が必要になっているかもしれません。 また、感染予防のために仕分けの効率が落ちるという状況もあり得るでしょう。

この状況が続くと

単に「カード到着が遅くなる」というのは多くの人が感じると思いますが、正直これはあまり意識されていないと思います。 徐々に進行しているということもあって、「言われてみれば遅くなっている」程度に思う方が多いのではないでしょうか。

問題は、新規にJARLに加入される方についてです。JARLは入会と同時に会費を納めますが、この時の会員期間の選択肢は 1年,3年,半年があります。 参考 JARL 入会案内

現状JARLに入会してすぐにQSOしてカード交換の約束をしても最初にカードを受け取るのは早くてその7〜8ヶ月後になるので、 (JARLが会員資格を失った局に対しては無条件にカードを発送しないという仮定で考えると) 仮に半年で退会するとカードは1枚も受け取れないことになります。1年間でやめた場合も、2〜3回しか転送されてきません。JARLを退会する場合、実質的にその7〜8ヶ月前からはカード交換の約束が出来ないことになります。このことについてのJARLからの注意喚起は、私が探した範囲では見つかりませんでした。

直近では「2ヶ月間に20日増」でしたが、仮にこのペースでの期間増があと7回続くと転送所要期間は365日を超え、来年の夏頃以降は会員期間1年の人もQSLカードを全く交換できないことになるかもしれません。

あと、ビューローの現場で今以上に多くのカードが滞留することになり、保管場所の問題等がでてくるのではないでしょうか。

どう対応すべきか

ここでは私が当面必要と考えているキーワードだけを挙げておきます。別な場で議論できればと思います。ちなみに白状すると私自身はまだ電子QSLに移行できてなく、紙QSLオンリーという状況です。自戒の意味も込めて...。

  • 紙カード以外の手段の積極的な利用

    • 電子QSL
    • 電子ログサービス
  • カード発行は最小限に

    • ビューローの現状を広く共有 (JARLが会員に伝える)
    • カード発行・受け取りポリシーを登録/公開するサービスの立ち上げとログ管理アプリケーションとの連携